特許温故知新(2)エジソンの白熱電球特許
前回に引き続き、エジソンの発明を取り上げます。
エジソンの発明といえば真っ先に思い浮かべるのは白熱電球でしょうか。
そのなかで最も有名な特許(米国特許223898)を紹介しましょう。
米国特許223898[1]
発明者:トーマス・A・エジソン
発明の名称:電気ランプ(ELECTRIC LAMP)
目的:白熱によって発光する電灯を製造することであり、電灯の実用的な細分化を可能にするために、高い抵抗を有するものとすることである。
(本ブログ著者コメント)「電灯の実用的な細分化を可能にする」とは、「複数のランプの同時点灯を可能にする」という意味でしょう。当時アーク灯はすでに存在していたのですが、明るすぎる点・大電流が必要である点で家庭向きではありませんでした。家庭用のランプに適した明るさにするために、アーク灯に比べ小電流化を図る必要があり、そのためにフィラメントの抵抗を大きくしてランプ1個あたりの電流を小さくする必要があると考えたのでしょう。

米国特許223898の図1より[2]
図の説明:
a :カーボン製スパイラル(またはフィラメント)
c,c’:スパイラルの太くなった端部
d,d’:白金線
h :クランプ
x、x’:リード線
e,e’:銅線
m :真空ポンプにつながるチューブ(点線で示されている)
特許請求の範囲:
1.記載された方法で製造され、かつ記載されたとおりに金属線に固定された高抵抗の炭素フィラメントからなり、白熱によって発光する電灯
2-4.省略
発明のポイント:
・フィラメントに炭素繊維を使用した。
・フィラメントをスパイラル形状とするとよい。
・炭素繊維は密閉チャンバー内で炭素源を高熱に処理して作成するとよい。
その他明細書中の記載:
・炭素繊維原料として植物繊維物質を使用することができる。
・綿やリネンの糸も検討した。
その後フィラメントの材料こそ(炭素からタングステンに)変わりましたが、白熱電球の基本的な構成がすでに完成しているのに驚かされます。
上記の特許明細書には、綿などを検討した旨が記載されてますが、エジソンは、より優れたフィラメントを作るために世界各地に調査員を派遣して、ついに京都府八幡市にある八幡竹が最も良いフィラメントになることを発見します。
木綿糸を炭化させたフィラメントで40時間の連続点灯だったものを、八幡竹をフィラメントとして使用することによって連続点灯時間を1200時間にすることができたとのことです[3]。
エジソンの執念深さは相当なものです。
まさに、「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」・・ですね。
<参考文献>
[1]米国特許200521
[2]米国国立公文書館に所蔵されている米国特許200521の図面(高解像度のため文字潰れが少ない図面である)
https://www.archives.gov/milestone-documents/thomas-edisons-patent-application-for-the-light-bulb
[3]トーマス・エジソンの白熱電球と日本の竹 | August 2022 | Highlighting Japan
https://www.gov-online.go.jp/eng/publicity/book/hlj/html/202208/202208_08_jp.html?utm_source=openai
[4]名和小太郎,「起業家エジソン 知的財産・システム・市場開発」,朝日新聞出版,2001

