「天板を跳ね上げずに移動と設置ができるテーブル」に関して

公益財団法人 日本発明振興協会と日刊工業新聞が共催する第50回(2024年度)発明大賞において、発明功労賞を受賞した「天板を跳ね上げずに移動と設置ができるテーブル」(コトブキシーティング株式会社)について調べてみました。

特許情報プラットフォームJ-Plat Patにて「コトブキシーティング」で検索すると54件ヒットします(2025.6.13現在)。
この中で上記「天板を跳ね上げずに移動と設置ができるテーブル」に関係するのは 特許6415064 であると考えられます。

以下、特許6415064の内容を簡単に紹介します。

従来、キャスター出入り式机は、天板を跳ね上げて移動するものでしたが、構造が複雑になり、組立に手間と時間がかかり、天板上にものを置いたままの移動ができないという不都合がありました。この発明は、従来のキャスター出入り式机の課題を有利に解決するものです。


特許6415064 図6、図8より

【図6】はキャスターを「上昇」させた状態を示す
【図8】はキャスターを「下降」させた状態を示す

天板1の下に設けられたキャスター昇降レバー17を手で上に持ち上げると、その力がキャスターフレーム駆動カム18→上端キャップ11→被駆動部7→キャスター支持部8に伝わり、キャスター支持部8によって支持されたキャスター9を足部4の下方に突出させ、床面F上でのキャスター9転動による机の容易な移動を可能にします。
そして、キャスター昇降レバー17から手を離すと机の自重でキャスター9は足部4の内部に収まって、机が床面Fに固定されます。
ここで、キャスター昇降レバー17を机の天板1の下、かつ、近傍に設けることによって、キャスター昇降レバー17を支えて天板1を持ち上げると自動的にキャスター9が足部4の下方に突出するようになり、それ以上の特別な操作が不要であるというメリットがあります。

この技術を使った机は実際に商品になっており、コトブキシーティング株式会社のホームページにも掲載されています。



コトブキシーティング株式会社のホームページ[2]より

出来上がったものを見てしまうと、誰にでもできそうな工夫に見えますが、このような商品や技術が知られていない時に、本願発明に係る技術を生み出すのは容易ではなく、優れたセンスが必要であると考えられます。
また、発明に際してはいわゆる「ハイテク」は必ずしも必要ではありませんが、(潜在する)不便に気づき、それをなんとか便利なものにしようとする強い意思が必要なのに違いありません。

<参考>

[1]特許6415064
[2]https://www.kotobuki-seating.co.jp/news/detail.html?itemid=1762&dispmid=770
 コトブキシーティング株式会社のホームページ『天板を跳ね上げずに移動と設置ができるテーブルが第50 回 (令和6年度) 発明大賞「発明功労賞」を受賞』